こないだ半年ぶりに2曲だけ人前で演奏してきました。作曲に没頭してたのと愛用のアコースティック・ギターが長期修理に出てたのであまり練習してませんでした。それもあってか何だか妙にアガってしまい思い通りの演奏(特に歌)になりませんでした。自分の中では最低の演奏でした。いくら
まやの助が歌手ではないにしてもあまりにヒドかったです(;´Д`)。練習時も決して上手いとは言えませんががここまでヒドくはない。こんなライブしかできないのなら音楽を辞めてしまったほうがいいんじゃないか?と本気で考えました。
演奏時は妙な感じでした。確かに緊張はしてたのですが実は意識は割と冷静だったんです。意識はちゃんと命令を身体に出していたハズなのですが身体が言うことを聞いてくれない。意識と身体がチグハグになっているのが自分でもよくわかるんです。「なに緊張してんだよ!しっかりしろよ!」と意識が叫んでいても身体は言うことを聞かない。もうこんなんじゃダメだと思いましたね。
次の日、そんな自分を自分で罵りながら音楽からの撤退を考えていたのですが、ふと以前に当時学生の女の子だった
りえとライブをやった時のことを思い出しました。
りえは人前で歌うことに慣れてなくて本番前に「息が苦しくなった」と言って何度も深呼吸をしていました。
人間というものはアガると息が詰まるように出来ているんですよ、きっと。好きな女の子に告白する時も息が詰まってなかなか言葉が出ないでしょ?(笑)重いものを持ち上げる時に呼吸はどうしてますか?息を止めて持ち上げますよね。息を吸いながら持ち上げる人はいないでしょう。緊張するということは集中するということと近いと言えるかも知れません。そして集中しようとすると本能的に力を入れやすくするために身体は呼吸を止めようとするんだと思います。その状態のまま歌を歌ったらどうなるでしょうか?声の燃料ともいえる息が不足してまともに声が出ないことは容易に想像がつきます。でもこれだけだと他の緊張の影響の説明がつかない。頭がパニクったり手足の震えなどはどうでしょうか?
陸上400m走の高野選手が言ってました。400mまでは
ひと息!で走りきるそうです。そのほうが息継ぎするよりも速いから。後半は酸欠で溜まってくる乳酸(疲労物質)との戦いで地獄の苦しみとのこと。そう、息を止めて集中できるのは短時間だけなんです。
過度の緊張で身体に悪影響がでる理由は「集中しようとすると、身体が本能的に力を入れ易くするために呼吸を止めようとする。その影響で呼吸が浅くなってしまい結果的に
酸欠状態になる」のだと思います。
適度の緊張(集中しようとする)は良いのですがアガる(酸欠)状態はよくない。
楽器でも同じことが言えます。ギターを弾くとき息が浅いように思います。試しに意識して腹式呼吸しながらギターを弾いてみたらなかなかいい感じです。
シンガーだけでなくプレイヤーも腹式呼吸をしてみましょう